我儘な女【デジタル特装版】【FANZA限定版】｜エロマンガ（絢乃ばる）b472abnen03286

本作は、絢乃ばるによる注目の初単行本。人間関係の摩擦や感情の揺れ動きをテーマに、現代的な人物像を描き出した短編集です。

同じ大学に通う男女のすれ違いや、価値観の衝突から始まる関係の変化、また、日常の延長にある無自覚な依存や支配の構図など、多面的な視点から登場人物の心理を丁寧に描写しています。

職場で出会う魅力的な女性との非日常的な時間、ファン活動が過熱するあまり自分を見失っていく若者、そしてアイドルとファンの間にある距離感を題材にした物語など、多様なシチュエーションが収録されています。

計9編から構成される本作は、それぞれに異なる背景とテーマを持ちながら、共通して“欲望と理性”の狭間に揺れる人々の姿を浮かび上がらせます。さらにデジタル特装版では、単行本未収録の番外編『スピンアウト』を追加収録。

作風はシリアスでありながらもリアルに寄り添い、読みごたえのある構成となっています。

教室での登場シーンからすでに、豊音というキャラクターの奔放さが際立っていました。遅刻してやってきた彼女に対し、クラスメイトが「午前全部サボりとかエグすぎｗ」とツッコミを入れるやりとりは、ちょっとした学園ドラマのようで、思わずクスっとさせられる場面です。

でも、そんな明るく軽い雰囲気とは裏腹に、後半で描かれる“別れ”の場面では、空気がガラッと変わります。

「話しかけてこないで」
「勝手に期待したのはあんただから」
「勘違い、分かった？」

――このセリフの冷たさに、思わず息をのんでしまいました。豊音は、はじめから本気ではなかったのだと、はっきり突きつける。彼女の言葉は残酷だけれど、同時に真っ直ぐでもあり、どこか潔い。
「鏡見ろっての…」という一言には、彼への軽蔑だけでなく、“自覚してほしい”というような、ある種の諦めにも似た想いが感じ取れました。

そんな強気で自分本位な言動ばかりが目立つ豊音ですが、終盤で見せた「んー？なんも〜？」というトボけた返しには、どこか愛嬌も感じます。まるで、すべてを受け流す術を身につけた“生き方”そのものが彼女のキャラクターであるかのよう。

表面的には軽く、奔放で、感情の波に飲まれないように振る舞う彼女。だけどその奥に、誰にも見せない「何か」を抱えている気がしてなりません。

花火大会の夜という特別なシチュエーションを舞台に、教室という閉ざされた空間の中で繰り広げられる心のやりとりが印象的でした。特に「藍音（あいね）」というキャラクターは、見た目の明るさとは裏腹に、どこか感情の起伏を抑えたような態度が目立ち、それがかえって読者に強い印象を与えています。

序盤では生徒会からの注意喚起や、友人たちの花火への期待感が描かれ、日常の延長線上にある“非日常”がじわじわと立ち上がってくる演出が秀逸です。その中で、藍音に向けられるクラスメイトたちのまなざしや台詞がどこか刺々しく、それが彼女の孤独や他者との距離感を際立たせていました。

物語が進むにつれて、藍音と男子生徒（名前不明）との間にある独特な関係性が浮き彫りになります。会話は少ないながらも、行動にこめられた意志が強く、花火を「見ない」という選択にも何か象徴的なものを感じさせられました。

また、作品全体を通して、光と影の使い方が非常に巧みです。花火の明るさと、教室の暗がりとのコントラストが、登場人物たちの心理の揺れや、心の奥底にある感情をより強く伝えてくれます。

冒頭、主人公の男性はアプリで「今回もハズレか」と思いながら待ち合わせ場所へ。遅れてやってきた女性は、なんと広告モデルにもなっているほどの有名美女「ツキ」。思わず「…本物？」と驚く彼の表情が印象的だ。
夢のような出会いだが、それが本当に夢で終わらないとは限らない——そんな不穏さも漂っている。

その後、場面は変わって、ある男のもとに“元カノ”と思しき女性が訪れる。「セフレの家を追い出されたの、泊めて」と軽く言い放つ彼女。その奔放さと無防備さは、ただの「頼る」ではなく、「支配する」ような空気すらまとっている。「あんた、他の女とかもいた？」と探るようなセリフと、直後に浮かべる笑顔は、彼女の腹の内を映し出す鏡だ。

さらに物語は、女子高生・柊香（しゅうか）へと焦点を移す。電車内でスマホを片手に「今日もバイト」と淡々と呟く姿が描かれる。掲示板には「JK2・部活」といった不穏なキーワードが…。
カラオケの誘いを軽くかわす彼女は、すでに別の“予定”があるようだ。どこか機械的に、当たり前のように“仕事”をこなしている姿には、年齢とのギャップが際立っている。

そして舞台は急転、事件性を帯びたモノクロームの報告パートへ。都内の高級宿泊施設で男性の体液が大量に発見され、現場には“サキュバス”のような存在がいたと示唆される。
画面いっぱいに描かれる女性の姿は異様で、「サキュバスの皆様にもマナーがあるの」との台詞が逆に恐怖をあおる。ファンタジーというより、都市伝説のような生々しさがある。

物語は終盤、再び現実に近い舞台へ。バスケの練習後のようなシーンで、二人の女子が「今日のおじさん3Pで倍額だって」などと会話を交わす。体育倉庫ではなく、体育会系の部室での何気ないやり取りのように描かれているが、どこかおかしい。
読者は「これって普通の世界なのか？」と違和感を抱くが、登場人物たちはその“ズレ”をまったく意に介していない。

そして締めは、ホテル「DOLL2」でのワンシーン。エントランスに響く丁寧な挨拶、しかしそこには「特別なサービスがあった」という一文が添えられる。客の男性が案内された部屋には、異様なまでに整った“スタッフ”が待っており、仄かに冷たさを感じさせる終わり方。じゃなくて、己の哲学で生きてる感じがして、読後感がズシリとくる……これは良い意味で胃にくるマンガ……！

我儘な女【デジタル特装版】【FANZA限定版】はHitomiやhentaiで見れますか？

2025年6月時点ではHitomiやhentaiで配信されていないようです。

安心して視聴するならFANZAなどの正規配信サイトを利用するのが安全です。